ただ静かに暮らしたい

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祖父と夢の話

 

私は毎日のように夢を見る。

 

人間は必ず毎晩夢を見ているが覚えていない事がほとんどだと聞いたことがある。

 

確かに起床から時間が経つと夢の内容の大半は忘れてしまうが、「今日はどんな夢だった」と布団から出る前に思い返すのが日課になるほど毎日見るのだ。

 

 

特に私は亡くなった祖父の夢をよく見る。

亡くなった祖父は二世帯で共に暮らしていて、初孫ということもあり随分と可愛がってもらっていた。

父方母方共に祖父母健在だったので、近しい親族を亡くした事が初めてだった私の心のダメージはかなりのものだった。

7年も経過するがまだ心に引っ掛かりがあるのかもしれない。

 

 

祖父は友人と山登りに出かけ山中で倒れてそのまま帰らぬ人となった。

病気もしておらず自分でもまさか死ぬとは思わなかっただろう。

病院に運ばれた時点で心肺停止状態だったが、私たち家族には「病院に運ばれた」とだけしか伝えられていなかった為、病室で変わり果てた姿と対面した時は膝から崩れ落ちた。

あまりにも突然で何が何だか理解出来なかった。

 

祖父は生前から冗談交じりに「俺は人に迷惑をかけないようにポックリ逝くんだ」と話していたが本当にそうなってしまった。

 

 

 

初めて見た祖父の夢は今でも思い出すだけで怖い。

亡くなった翌日に居間で祖父が上半身裸で仰向けで横になり「まだ死ぬ心の準備が出来ていない」と涙を流しながら呟いた。

私は隣で「大丈夫だよ」と声をかけていた。

ところが母は「早く行く準備をしないといけないから」と祖父を早くそちらの世界に送ろうと慌てふためいていて「祖父が可哀想だ」と抗議をしても準備をやめない。

「あと3日待ってほしい、そうしたら心の準備が出来るから」と呟いた場面で目が覚めた。

突然帰らぬ人となった祖父の状況と心情が伺えるあまりにリアルな夢で、起きてから家族に話すと皆怖がっていた。

 

 

幼い頃から車で色んな所に連れて行ってくれて、

中学校時代は塾、高校時代はバイト先までよく送ってくれた。

学校の終わる時間が遅くなって間に合わなそうだと察知すると、帰宅してすぐ向かえるように車のエンジンをかけて待っていてくれたり今思えば超過保護。

両親よりも私のスケジュールを把握してくれていた。

妹もいるのだがそこまで祖父と仲が良くなく、私の独り占め状態だった。

 

 

私は亡くなる直前のお正月に「20歳になるまでに車の免許を取ったほうが良いから」と30万を渡されその資金で自動車学校に通わせてもらったいた。

次に見た祖父の夢は亡くなった3か月後、車の免許を取得した日だ。

祖父が私を車に乗せてドライブに出かけていた。車を運転しながら私に「もうおじいちゃんはお前を乗せてあげられない。安全運転で気を付けるんだよ」と言われて泣きながら目が覚めた。母に話すと「よっぽどあんたのことが心配だったんだね」と泣いていた。

 

 

亡くなったのが5月で、その春から都内に進学をしたので祖父と過ごす時間はかなり減っていた。

自動車学校へもなかなか通えない時期もあり取得期間ギリギリでの合格だった。

私は心の中で「取得したら祖父を車に乗せて出かけよう」とずっと考えていたので亡くなってから「もっと早く取得出来ていたら乗せてあげられたのに」と悔やんでも悔やんでも悔やみきれない気持ちだった。

だからこそ夢の中でも私を心配してくれる祖父に涙が止まらなかった。

今でも申し訳なかったと思っている。

 

例を挙げて2つの夢を出したが他にも沢山見ている。

夢の中で祖父も私も祖父が亡くなった事をきちんと理解した上で会話が成り立っているのが不思議。

「元気にしてるかと」聞いて「楽しくやってるよ」など。

 

きっと祖父を亡くした心の傷が癒えていなくて、無意識に祖父の事を思い、それが夢として表れていると理解してはいるが毎回メッセージ性が強くて考えさせられる。

 

また一つの法則として夢の中で毎回母には祖父の姿が見えない。

そして母は祖父の夢を見ない。

私が祖父の手を引いて「ほらおじいちゃんここにいるよ」と伝えても見えない。

私には見えて触れるのに自分の父親なのに何故なのか。本当は二人の仲に何か確執でもあったのではないかと睨んでいる。

 

なんだかスピリチュアルで胡散臭い記事になってしまったが、すべて本当の事だ。

決してメンヘラとかではない・・・